職人と呼ばれる

昨日までは暖かく、今週末から寒波が押し寄せ、月曜日は東京でも雪が降るかもしれません。

寒い日が続きますので、皆様お風邪など召されませぬようにお気を付け下さい。

 

今日はこの仕事をしていることで、よくお客様に言われる言葉をご紹介いたします。

皆様、私の事を「職人」と言ってくださいます。

本当にありがたいことで、「職人」と呼ばれること、嬉しく思います。

 

しかし、自分では「職人」とは思っていません。

どちらかというと、「アーティスト」「デザイナー」

この言葉の方が合うかと思います。

 

その一つの理由として、時計のムーブメントは作っていないこと。

ムーブメントはメーカーのモノを使用しています。

当店では、ムーブメント・針・リューズはメーカーのモノを仕入れ、使用しています。

当店で製作しているのは、ガワ(時計本体のケース)・レンズ・裏蓋・文字盤・ベルト・バックルは素材から製作しています。

そして、1日に製作出来るのは多くて4個が限界です。

毎日4個製作しているかというと、それはありません。

1日に2個製作する日もあれば、1日に0個の日もあります。

なので、限界はどうしてもあります。

この製作数の理由は、金属の部分は金属版・金属棒から曲げたり、裁断したり、削ったり、ロウ付けを行ったりし、完成させます。

その完成するガワは全て手作業で製作するので、同じデザインでも100%同じではありません。

そして、この一つを作るのにはとても時間がかかります。

また、レンズも一つ一つ加工を施し製作するので、時間もかかります。

裏蓋も同じです。

手作業でぴったりと合うように製作します。

ベルトは革を裁断、加工・染色・ステッチの手縫いを行い、組み立てます。

この一連の流れはとても根気がいる作業です。

先ほども述べたように、とても時間がかかる作業です。

 

この作業をご覧いただくと、皆様には「職人」と呼んでいただけます。

ですが、私自身はムーブメントを作っているわけではないので、デザイナー感覚でいます。

いろいろな形の時計をデザインし、時計を製作する。

そんな感覚です。

職人と呼ばれるのは嬉しいですが、時計職人と呼ばれる方は、時計のムーブメントまで製作する方だと私は考えています。

ムーブメントを製作すること、実は私も製作したことがありますが、とても複雑でとても大変です。

言葉では表せないくらに大変です。

それだけ、時計職人(ムーブメントまで作る人)はすごい技術力の持ち主です。

時計職人に経緯を表し、時計デザイナーと名乗っております。

もし、どこかで皆様が時計職人の方とお会いしたら、すごい技術の持ち主の方なので、お話し出来る機会があったら、話しかけてみてください。

時計製作風景

 

 

2018年01月19日